弊社が展示会などで自社開発AI「E20」の学習にB型支援事業所を利用しているとお話しすると、コスト削減のための選択と誤解されることがあります。事実、時に世の中では、時折コストを抑える手段として福祉事業所との連携が選ばれることがあります。しかし、弊社の考えは明確に異なり、障がいを持つ方やB型支援事業所と共にAI開発に取り組みたい明確な理由が創業者である代表 神野の中に強くあります。

 私神野の父は、水泳やトライアスロンが好きで、お酒と自然を愛する、とても活発な人でした。しかし、私が中学生の頃、父は若年生パーキンソン症候群を発症し、そののち、パーキンソン病と診断されます。病気は少しずつ父の身体の自由を奪い、私が、高校生になる頃には車の運転もできなくなっていました。

 父は仕事を失ったため私の家は決して裕福ではありませんでした。しかし、それ以上に、生活の苦しさ以上に辛かったのは、父が少しずつ社会とのつながりを失っていく姿を見ることでした。

 進行を止めることは難しい病気のため、成果の出にくいリハビリを拒否するようになり、デイケアのヘルパーの方々との衝突、施設内での他の入所者との喧嘩も増えていきました。 病気によって身体だけでなく社会性までも奪われ、父の居場所は少しずつ失われていったのです。

 父はその後、併発した他の病気もあり衰弱していき、約20年数にわたる闘病生活の末に亡くなりました。

 今振り返ると、父の人生の後半はまるで牢獄のようなものだったのではないかと思うことがあります。動かない身体、変わり映えのない景色、遮断される情報、その孤独は活発な性格であった父にとって、耐え難かったと思います。自宅と施設だけではない、もっと世界との出入り口があれば。生きてきた意味を感じられる役割があれば。そして当時の私は、父を社会とのつながりへ導く架け橋になれませんでした。それをできなかった自分自身の力不足に、今でも強い後悔があります。

 私は、人は「役割」によって支えられて生きているのだと強く感じています。 社会との接点を持つこと、人と関わること、自分が誰かの役に立っていると実感できること。それらは、人が生きていく上で非常に大切な力になるのだと思いました。 2026年現在、私たちは社会を支える最先端のAI開発に取り組んでいます。

 AIは、一部の天才や巨大企業だけで作られるものではありません。日々進化するAIは、多くの人の小さな作業や積み重ねによって支えられています。障がいを持つ方やB型支援事業の皆さまにご協力いただく学習業務も、その大切な一部です。

 たとえ一つひとつの作業が小さく見えたとしても、その積み重ねは未来のAI技術を支える重要な力になります。そして、この仕事はやがて社会へ還元され、より良い福祉や暮らしを支える技術へとつながっていきます。最先端技術を支える一員として、社会の中で確かな役割と誇りを感じてほしい。

 AIは、人の仕事を奪うためだけのものではなく、人に新しい役割や可能性を生み出すための技術でもあると、私たちは信じています。私は2度と父を牢獄に入れない。

このE20に関わる全ての方が共生できる社会を滋賀新聞グループは目指しています。

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